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手術で使用する溶ける糸と、溶けない糸の違いってなに?

皆さま、こんにちは。
ナースWです

当院のブログを拝見して頂いている方の中には、ご自身の美容手術を考えている方も多いのではないでしょうか?

クリニックの広告などで、
「溶ける糸を使用しているので安心!糸は身体残りません!」
などの謳い文句を見たことがある方もいるのではないでしょうか?

何となく、身体の中に糸が残っているより残らない方が安全な気がすると思っておりませんか?
そもそも溶ける糸と溶けない糸の違いって何か
なぜ糸が体内で溶けるのか

今回は、溶ける糸と溶けない糸の違いについて記載していきます。

【手術の縫合糸】

【吸収糸(溶ける糸)と非吸収糸(溶けない糸)】

手術に糸は必要不可欠です。
その為、手術で使用する糸は各メーカーの違いもありますが、多種多様にあります。
手術内容によって使用する糸は様々です。
大まかに糸を分けると、「溶ける糸」か「溶けない糸」かに分かれます。今回のメインの内容ですね。

専門用語で表すと
・吸収糸(溶ける糸)
・非吸収糸(溶けない糸)
に分けられます。

美容外科的な手術では、体内に残ってしまうような使い方(フェイスリフトの切開線の中縫いの時など)の時は吸収糸(溶ける糸)を使う場合が多いです。
抜糸をし、体内に残らない場合に非吸収糸を使用したりします。

※もちろん手術によっては、中縫いに非吸収糸を使用したり、異なる使い方もします。
術式や手術を受ける方の状態によって糸を使い分けるため、使い方は千差万別です。

【モノフィラメントと網み糸】

吸収糸と非吸収糸の他に糸の違いがあります。
1本の糸からできている単糸(モノフィラメント)、複数の糸からできている編み糸・より糸(マルチフィラメント、ブレイド)の2つのタイプがあります。

【編み糸(マルチフィラメント・ブレイド)】
編み糸の特徴は、しなやかで結びやすいという点です。 
結び目もしっかりと締まり、緩むことがありません。
その為、しっかりと固定したい場面では編んだタイプの糸が選択されます。

編み糸のデメリットは、糸の繊維のなかに血液や体液などが染みこみ易い、ということです。
糸の繊維に血液や体液、組織液が残ってしまうと、体の中で炎症や細菌繁殖の温床となる可能性があります。
そのため、皮膚や腸管の内壁など、不潔なエリアと接する部分の縫合に編み糸が使われることは殆どありません。

【単糸(モノフィラメント)】

モノフィラメント糸は殆どナイロン製で、ツルっとした質感の糸です。
モノフィラメント糸は質感がツルっとしているため、結びにくく、結び目も緩みやすいのが特徴です。
とても扱いづらく感じるかもしれませんが、編み糸に優れる点は感染源になりにくいという点です。

網糸のデメリットであった、糸の繊維に血液や体液がしみ込んでしまうことを上げました。単糸はナイロン製のため、血液などがしみ込むことがないのです。
切開線の外縫い(皮膚の一番外側、何針縫った~と表現するときに見える、外側の糸です)に使用することが多いです。

【なぜ体内で糸が溶けるのか】

吸収糸(溶ける糸)は、一定の期間は創部(切開したところの縫い目)を固定する強度を有し、加水分解などで時間が経つと身体に徐々に吸収されていきます。
糸の種類(素材や強度)によって抗張強度維持期間と吸収期間が異なるため、手術をする部位や目的によって使い分けます。

以上、手術をする上で使用する糸の違いについてでした。
当院でも多様な糸をご用意しております。
また、確かな知識によって糸の種類を把握し使い分けているため、安心して手術を受けてください。

ご不明点や、まだ手術が怖いけど話だけ聞きたい、など。
無理な勧誘は当院では実施しておりません。
まずはカウンセリングに来てください。

ナースWでした

記事監修医師プロフィール

サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医

白壁 聖亜

経歴

  • 2007帝京大学医学部 卒業
  • 2010湘南鎌倉総合病院形成美容外科勤務
  • 2019シロノクリニック非常勤勤務
  • 2020サフォクリニック理事就任
  • 2022サフォクリニック副院長就任

所属学会・資格

  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本形成外科学会会員
  • 日本美容外科学会(JSAPS)会員
  • 国際美容外科学会(ISAPS)会員
  • 日本レーザー医学会会員

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