ナースWです。
熱い日が続きていますね。
皆さま、体調管理は如何でしょうか?
前回に引き続き、注射について記載していきます
また、皆さまがずっと思っているであろう疑問
「なぜ注射は痛いの?」を中心にしていきます。
注射を打つときは、痛いもの
「刺すときにチクッとして痛い」というイメージが一般的かもしれませんが、実は注射の痛みには複数の理由があります。
痛みそのものを避けることはできませんが、漠然とした恐怖心、苦手意識をやわらげるためにも痛みの理由について理解していきましょう✨
【針をさすときの痛み】
注射の針が皮膚をさすとき、「チクッ」という痛みを感じます。
これは皮膚の表面に、痛みを感じる「痛点(つうてん)」があるためです。
痛点は、皮膚の表面1平方センチメートルあたり平均130あります。
そのため、注射の針が細いほど痛点を避けることが可能となり、痛みを感じにくくなります。
【薬物の浸透圧による痛み】
注射による痛みの中には、薬物の浸透圧によるものもあります。浸透圧とは、濃度の違いにより生じる圧力のことです。
血液と薬物(注射液)には、浸透圧があるため、その差が小さい薬物ほど刺激が少なく、痛みを感じにくくなります。
血液成分に近い、生理食塩水での点滴はほとんど痛みは感じないと思います
生理食塩水は血液に成分が近いため、浸透圧はほぼありません。
【薬物のpHによる痛み】
注射による痛みの中には、薬物のpHの差によるものもあります。
pHとは、その物質が酸性かアルカリ性かをしめす基準値のことです。
水のpH7.0が「中性」とされています。
私たちの血液は、通常pH7.4でほぼ中性に保たれており、注入される薬物と血液とのpHの差が小さいほど刺激が弱く、痛みも小さくなります。
酸性、アルカリ性の実験をリトマス紙実施したことが懐かしいですね。
【針が血管内壁に当たった痛み】
注射針が血管内壁に当たったことにより、痛みを感じることがあります。
腕の置き場所や、針先の角度を微調整することにより痛みを感じなくなることがあります。
【点滴が痛いときの対処法】
予防接種などの注射は1~2分我慢すれば終わってしまいますが、点滴はそれよりも時間がかかることが多いです💦
10分以上の点滴を受けているとき、最初は何ともなかったのに、徐々に点滴を受けている血管が痛くなってくることがありますよね。
上記で紹介したように、薬液のphバランスで血管痛が引き起っている場合、針を刺しなおしても痛みが改善されないことがあります。
当院でも実施している点滴が痛いときの対処法をご紹介していきます(血管内に留置針が問題なく入っている場合です)
・針を留置している腕を温める
電子レンジで温められるホットパックやホッカイロなどで簡単に温められます。
血管を温めることにより、血流が良くなり、さらに血管が広がり、点滴(薬液)が接触する機会を減らし、静脈炎・血管痛の予防・緩和を図ります。
・点滴の投与速度を遅くする
点滴の投与速度を遅くすることにより、血管への刺激を少なくします。
血管の収縮、血管内の流れの滞りによる薬との接触時間の延長などが原因と考えられます。
・希釈濃度を薄くする
殆どの点滴は薬液を生理食塩水にて希釈しています。
薬の浸透圧やphバランスによって血管痛が引き起っている場合、生理食塩水を多くすることにより、薬の濃度が下がり血管痛が改善することがあります。
ただし、 生理食塩水を多くする、と言うことは点滴の量自体も増え時間もかかるということです。
希釈する量にもよりますが、一長一短あるため、当院ではこの方法は積極的には使用しておりません
以上、注射はなぜ痛いのかについて記載していきました。
当院では美容点滴も実施しております。
特にこの時期は美白美肌点滴、白玉点滴、白雪点滴など、美白系の点滴が大人気です。
点滴や注射が苦手な方でも、痛みが感じづらいように工夫しているため、興味がある方は是非一度ご来院ください💕
サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医
白壁 聖亜
当クリニックの診療は自由診療(保険適応外)となります。