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麻酔について~局所麻酔~

皆さまこんにちは。
ナースWです。
今回は、手術に欠かせない麻酔について記載していきます。

麻酔というと、痛みを遮断する、寝ている間に手術が終わる、
麻酔が効きすぎると逆に体に悪い、など思っていませんか?

麻酔にはいくつかの手段と、麻酔薬の種類があります。
また、麻酔科医・医師、実施する手術や施術、使用する患者の
年齢や身体状況によって、使用する薬の種類や量は異なってきます。

その中で、麻酔には大きく分けて2種類あります👌
・局所麻酔
・全身麻酔

さらにこの中から硬膜外麻酔など細かい分類に分かれます。
今回は局所麻酔について記載していきます。

✨局所麻酔とは
手術部位の痛みの原因となる神経の伝達を遮断するために行われる麻酔法のことです。
先にも記載しましたが、麻酔には大きく分けて全身麻酔と局所麻酔があります。
全身麻酔は脳内の神経を麻痺させ、さらに意識を消失させる作用を持っています。
局所麻酔は局部の鎮痛作用のみで、一般的に意識を消失させる作用は持っていません。
そのため、全身麻酔と局所麻酔の作用機序は全く異なります。
局所麻酔には、
・表面麻酔
・浸潤麻酔
・伝達麻酔
・硬膜外麻酔
・脊髄麻酔(くも膜下)

など実に多くの種類が存在し、手術部位や方法によって使い分けられています。

また、医療技術の進歩に伴い、安全性や術後の疼痛管理を考慮して「硬膜外麻酔」「脊髄麻酔(くも膜下)」と全身麻酔の併用も増えています。
局所麻酔には、呼吸抑制がないなど全身麻酔と比べて副作用・合併症が少なく、侵襲性が低いことが最大の利点です。

局所麻酔の種類について
上に記載しましたが、局所麻酔には「表面麻酔」「浸潤麻酔」「伝達麻酔」「硬膜外麻酔」「脊髄麻酔(くも膜下)」と多くの種類が存在します。
作用機序や手技、適応症例は麻酔法によって大きく異なりますので、それぞれがどのような麻酔法なのか記載していきます。

表面麻酔

皮膚や粘膜の表面に直接的に麻酔薬を塗布し、皮下へ浸透させて神経終末に作用させる方法が表面麻酔です。
口腔内(喉頭)・鼻腔内へのスプレーや皮膚に張り付けるテープ麻酔、眼球の手術、外傷、火傷、潰瘍の疼痛除去などに用いられています。

浸潤麻酔

皮内または皮下に麻酔薬を注射し、麻酔薬の及ぶ範囲の神経を遮断します。副作用が比較的少なく、簡便に実施できることから
手術よりも簡易的な治療に広く使用され、特に歯科治療においては第一選択となっています。

伝達麻酔(ブロック麻酔)

末梢神経の中枢側付近に麻酔薬を注入し、神経の支配領域を無痛にする方法が伝達麻酔です。
これも簡易的な治療に広く使用されており、主に歯科領域では下顎神経ブロックに、全身的には四肢の骨折の手術時など、広範囲に使用されています。

硬膜外麻酔

椎管内面の骨膜および靭帯と硬膜との間にある骨膜外腔に麻酔を注入し、知覚神経ならびに交感神経を直接的に遮断する麻酔法です。
頭部・顔面以外のすべての部位が適応となり、開腹手術や胸部などの中・大規模な手術の際には全身麻酔と併用して使用されています。
また、術後の疼痛管理にも多く利用されています。

脊髄麻酔

くも膜下腔に麻酔薬を注入し、下半身の神経を抑制させるために行われます。
脊髄損傷を防ぐために穿刺部位は第2腰椎以下を原則とし、また適切な刺入を促すために基本的には側臥位で行います。

基本的に、局所麻酔と表現されるものは、「表面麻酔」「浸潤麻酔」「伝達麻酔」の3つの麻酔法が使用されています。
「硬膜外麻酔」「脊髄麻酔」は比較的規模の大きな手術に実施されています。
当院でも、
・麻酔クリーム、ペンレステープ(表面麻酔)
・キシロカイン注射(浸潤麻酔)
・ブロック麻酔(伝達麻酔)
を使用しています🤗
硬膜外麻酔、精髄麻酔は使用しておりません。
今回は麻酔の紹介として記載しています。

局所麻酔に使用される薬剤
局所麻酔に使用される薬剤の種類は多様にあり、
エステル型
・コカイン
・プロカイン
・テトラカイン

アミド型
・ジブカイン
・リドカイン
・ブピバカイン
が使用されています。

これらは手術部位や麻酔法などによって使い分けられ、各薬剤によって作用機序や作用持続時間、毒性、適応は異なります。
副作用・合併症においては、一般的にアミド型は麻酔薬中毒に陥りやすく、エステル型はアナフィラキシーショックの発症率が高いなど、
使用する薬剤によって術中・術後の患者に対する注意点も異なります。
たくさん種類があり、記載していくと長くなるため今回は当院で使用しているリドカイン(キシロカイン注射)について詳しく記載していきます。

✨リドカイン(キシロカイン)
数ある局所麻酔薬の中でも安全性が高く広範に使用可能です。
局所麻酔作用としてだけでなく、不整脈の治療や全身投与によるガン性疼痛・神経障害性疼痛の鎮痛薬としても使用されています。
また、静脈注用に加え、スプレー・ゼリー(表面麻酔)、テープ一般(静脈留置針穿刺時の疼痛緩和)、
ペンレステープ(伝染性軟属腫摘除時・皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和)など、さまざま形態で用いられています。

副作用・合併症
頭痛、眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、悪心・悪寒、蕁麻疹・浮腫、せん妄、
ショック症状(初期症状:血圧低下・顔面蒼白・脈拍の異常・呼吸抑制など)、中毒症状(振戦・痙攣など)、
刺激伝導系抑制、悪性高熱などが稀にあります。

禁忌
重篤な刺激伝導障害(完全房室ブロックなど)のある患者、リドカインに対して過敏症のある患者など。

副作用について
局所麻酔で用いられる薬剤は数多く存在し、手術部位や麻酔法によって使い分けられています。
すべての麻酔薬に共通する副作用は、頭痛、眠気・不安・興奮・霧視・眩暈・悪心・悪寒・蕁麻疹・浮腫
などがありますが、ほとんどが一過性ですので、通常は経過観察で問題ありません。

まとめ
局所麻酔には副作用も存在しますが、上手に活用することにより痛みを大幅に削減し、手術や施術をすることが可能になります。
必要以上に麻酔を怖がらず、しっかりと医師に相談し使用すると、ペインコントロールもでき身体的・精神的にも楽になると思います。

これまで手術や施術をしたことがある方で、麻酔によって気分が悪くなったり、何かしら副作用が出たことがある方は
使用した薬剤を医療機関に聞いて覚えておくとよいと思います。
次回以降麻酔を使用する施術をする際にその麻酔を除外し、ほかの麻酔を使用する、副作用がでないように事前に対策を講じることができます。

次回は麻酔薬~全身麻酔について~を記載していきます✨

記事監修医師プロフィール

サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医

白壁 聖亜

経歴

  • 2007帝京大学医学部 卒業
  • 2010湘南鎌倉総合病院形成美容外科勤務
  • 2019シロノクリニック非常勤勤務
  • 2020サフォクリニック理事就任
  • 2022サフォクリニック副院長就任

所属学会・資格

  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本形成外科学会会員
  • 日本美容外科学会(JSAPS)会員
  • 国際美容外科学会(ISAPS)会員
  • 日本レーザー医学会会員

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