お天気が急に変わりやすく、梅雨入りももうすぐでしょうか?
本日はプラセンタについてお伝えして参ります✨
プラセンタとはいったい何?
プラセンタとは英語で胎盤のことです。
胎盤の中には胎児の成長に必要な栄養素や生理活性物質(身体の働きを調節する役割を持った物質)が含まれていることが分かっています。
赤ちゃんの栄養の源
小さな受精卵から大きな赤ちゃんに育つためには…?
哺乳類は一個の卵子と、一個の精子が出会い受精卵となります。
受精卵は子宮壁に着床し、その受精卵は、胎児と胎盤に分かれていきます。
赤ちゃんと胎盤の間は、栄養の運搬をする臍帯で結ばれています。
赤ちゃんが子宮の中ですくすくと育つための栄養の源となっているのが胎盤なのです。
胎盤の役割
①母体から酸素や栄養分を取り出して胎児に送る
胎盤は、異物を解毒する肝臓となり、栄養分を消化・分解する小腸となり、
呼吸をつかさどる肺となり、老廃物を処理する腎臓となったりと
重要な臓器の代わりとなる、とてもスペシャルな臓器です。
②サイトカインやグロスファクターなどの生理活性物質を分泌する
・サイトカインは免疫細胞を刺激したり、抑制したりする働きをします。病気から胎児を守る役割をします。
・グロスファクター(成長因子)は、成長ホルモンのような働きをします。
グロスファクターの分泌により基幹細胞はもの凄いスピードで細胞分裂を促し、組織をつくり、皮膚や臓器などの器官を作っていきます。
最終的には、外で生きていくために必要な臓器や器官が形成され、健康的な赤ちゃんが母親から産まれてくるのです。
胎盤は胎児が育つために必要な組織です。
プラセンタ=胎盤は膨大な役割を担っており、知れば知るほど魅力的な器官と言えますね。
プラセンタには複数の種類があり、原料は馬・豚・羊・ヒト・植物由来と5種類あります。
用途は以下の通りです。
・馬・豚・羊・植物由来プラセンタ→コスメ・サプリメント・美容ドリンクなどに使用されます。
・ヒト由来プラセンタ→医療機関でプラセンタ注射として使用されます。
では、それぞれ詳しく見ていきたいと思います✨
豚プラセンタ
・牛プラセンタ禁止後、プラセンタ商品の主流となる
※2001年に狂牛病の発生があり牛プラセンタは利用禁止となっています
・年に2回、1度に10頭前後を出産する為、プラセンタエキスが大量生産が可能
・豚プラセンタは人間の皮膚や臓器の細胞と構造が似ているため親和性があり、アレルギー反応を起こしにくい
・薬剤の影響がなく徹底管理されたSPF豚であれば、質の高いプラセンタを抽出することが出来る
・JHFAマーク(日本健康・栄養食品協会認定マーク)は品質規格基準を満たし、安全性試験を合格したもの
・病気を予防する為にワクチンや薬剤を投与される場合があり、安全性を保てないプラセンタもある
馬プラセンタ
・年に1回、1頭の出産であり、希少性が高く、大量生産出来ない為、価格が高価
・栄養価が高くアミノ酸の含有量は、豚プラセンタに比べて1.2倍
サラブレッドプラセンタの場合は296倍となります
・病気になりにくい為、予防接種などのワクチンを使用せず、安全性が高い
・正当な血統で厳しい徹底管理の元飼育されており、安全性が高い
・必須アミノ酸が6種類含まれている
羊プラセンタ
・羊の胎盤は胎盤の細胞構成が人間の胎盤と非常に近く、アレルギー反応が起こりにくいとされてる
・病気になりにくい為、ワクチンや薬剤が使用されることが少なく、安全性が高い
・羊の胎盤には、良質なタンパク質と30種類以上のアミノ酸が含まれている
・2001年に狂牛病のリスクを考え、国内生産が出来なくなり、国内で流通しているのはニュージーランドやスイスの輸入品
※ニュージーランドは狂牛病が未発生であり、スイスはFDA(アメリカ食品医薬品局)などの機関で安全性が証明されている
・国内での流通量は非常に少ない
植物由来プラセンタ
・主にアロエ、ライ麦、トウモロコシ、クロレラなどの胎座が利用されている
※胎座には発芽の為の栄養成分が凝縮されていることもあり、アミノ酸やビタミンは豊富に含まれている
・動物プラセンタで心配されるワクチンや薬剤の使用が無く、匂いや味にくせがない
・植物由来プラセンタには成長因子が含まれていない
その為本来のプラセンタとは全く別の美容成分と考えた方が良いかもしれません。
・成長因子が含まれない為、美肌効果やアンチエイジング効果は著しく低下する
ヒトプラセンタ
・医療機関でのプラセンタ注射の原料としてのみ使用される💉
・薬剤メーカーが契約している日本の産婦人科から提供される日本人の胎盤が原料です。
・医薬品として認可されていることからも分かるように効果や安全性について問題ない
・同じ人間の胎盤のため人体への適応性や効果の確実性も最も高いと考えられ、免疫反応などのリスクも低い
・ラエンネックとメルスモンのいずれかの注射剤を使用
・ヒトプラセンタは薬事法で化粧品や食品への使用が禁止されている
プラセンタの種類により栄養価や安全性、コストがそれぞれ異なります。
明日はヒトプラセンタについて深堀していこうと思います。
ヒトプラセンタは更年期障害や肝機能障害の治療に使われてきました。
最近では疲労回復や抗アレルギー作用、美肌作用、抗老化作用など幅広い分野でその有効性に注目が集まっています💓
本日は以上です。
ありがとうございました。
サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医
白壁 聖亜
当クリニックの診療は自由診療(保険適応外)となります。