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メディカルダイエット~サノレックス~

皆さま、こんにちは。ナースWです。

どんどん暖かくなり、夏も近いな、と感じる今日。
ステイホームにより運動量が激減し、体重増加、という方も多いのではないでしょうか?

今回は、飲むだけで痩せると言われているサノレックスについて記載していきます。

【サノレックスとは】
ダイエットに効果がある薬として聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
サノレックスは日本では医療機関のみが取り扱うことができる肥満症に効果のある薬です。

一部、海外輸入という商品もインターネット通販などで見かけますが、安全性は疑問に思うとこともあり、お勧めはしないです。
サノレックスは、漢方薬やサプリメントを除き、日本国内で唯一「肥満症」に使用することが保険上認められた薬です。

世界では1973年から使用され、国内でも1992年から販売されているため、古い部類の薬になります。
サノレックスは日本での商品名であり、海外ではマジンドールといわれることもあります。
サノレックスに含まれる有効成分はマジンドールといいこの成分により体重減少が可能です。

マジンドールは、脳の視床下部の摂食行動を制限し、満腹感を得やすくなります。
満腹感を得やすい分、食べる量が減り、体重も減るという仕組みです。
薬の作用によって、「満腹だ」と脳を誤認されることで体重を減らすことができるのです。

「脳を騙す」というワード、ちょっと怖いですよね。
実は覚せい剤も似たような作用があります。

覚せい剤の中には「アンフェタミン」という物質が入っているものがあります。
覚せい剤を売り込む人達の謳い文句の中に、「これを使用すると痩せるよ」「疲れがたまらず、頭がすっきりするよ」などがあります。
これはアンフェタミンやその他覚せい剤の成分が脳を誤認させ、満腹中枢を刺激しているためです。

仕組みだけで言えば、サノレックスの作用は覚せい剤に似ているとも言えます。
サノレックスって危ない薬じゃないの!?と思うかもしれませんが、サノレックスとアンフェタミンの化学構造はかなり異なります。
そのため、依存性を含めた安全面などは大きく異なります。
サノレックスは医師の指示のもと、用法・容量を守れば安全に使用できます。

【サノレックスの効果・効能】
医薬品は、それぞれどのような病気や症状に使用することができるか、条件が定められています。
これを正式には「効能・効果」と呼びます。
サノレックスの説明書である、「添付文書」を参照すると、効能・効果の欄には次のように記載されています。
※保険適応における基準です
※保険適応外(美容目的)では医師の診断のもと、下記に当てはまらないこともあります

あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症 (肥満度が+70%以上またはBMIが35以上)
における食事及び運動療法の補助

簡単に説明すると、「運動や食事に気をつけても、肥満が改善されない肥満症の補助薬」となります。

つまり、運動や食事といった、肥満を改善するために必要な基本的な努力を行っても肥満が改善できない人用の薬です。
個人の考えで「楽して体重を減らしたいな。飲むだけで痩せるなんてすごい」のような安易な気持ちで使用するものではありません。
必ず医師の診断のもと、用法・容量を守って使用することが大前提です。

【肥満度について】
上の効能・効果で出てくる「肥満度」と「BMI」にはそれぞれ基準となる値が示されています。
これらがどの程度の数値なのかを知ることで、サノレックスが必要となるケースがどのようなものか、
イメージがわきやすくなると思います。

【肥満度とは】
肥満度は、次の式で求めることができます

肥満度=
(実測体重 ‐ 標準体重)/標準体重×100

「実測体重」とはそのままの意味で、実際に体重計に乗って測った数値です。
つまり、肥満度とは実測体重と標準体重の差が、標準体重の何パーセントになるかを意味しています。
標準体重よりも軽ければマイナスの数値になりますし、プラスの数値が大きいほど高度な肥満ということになります。

そこで、「標準体重」とは何か?が疑問になってきます。
標準体重を知るためにはBMIを利用していきます。

【BMIとは】
BMIとは、「Body Mass Index」の頭文字をとったものです。
最近ではかなり良く効くので、言葉自体を知っている人は多いと思います。
BMIの計算式は

BMI=体重 (kg)÷身長 (m) ÷身長 (m)

要するに、体重を身長で2回割れば求められます。
このとき、身長はメートル単位であることに注意が必要です。
日本肥満学会が示している基準があります。

低体重 (痩せ型):18.5以下
普通体重:18.5以上、25未満
肥満:25以上

特にBMIが22の場合、統計的にもっとも病気にかかりにくいと考えられています。
そこでBMIが22になるような体重を「標準体重」と呼ぶようになりました。
もっとも、標準体重には他にもいろいろな定義があるのですが、現在よく使われるのはこのBMIにもとづく定義です。

要するに、保険適応でサノレックスの使用が考慮されるレベルの肥満症とは
身長はごく普通にもかかわらず、体重が100kgを超えるような場合に限られるのです。

しかも、前提条件として「あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な」がつきますので
生活習慣を改善してなお、こうした体重となってしまう場合が対象です。
「ちょっと太っているな」というレベルではないと表現してよいでしょう。

このような肥満症はそうそうあるわけではないので、必然的にサノレックスを保険適応で使えるケースは限られます。
そのため、サノレックスは名前は知られていますが、保険適応になることは殆どないため使用したことがある人は限られるのです。
※保険適応外、美容目的でも使用は可能です。その場合、必ず医師の診断、指示に従いましょう

重複して記載しますが、サノレックスを使用するときは医師とよく話し合ってからの使用が必須です。
美容目的のダイエットでは使用期間や使用量に注意を払うことが必要だからです。

どんな薬にも当てはまることですが、薬にはメリット(効果)、デメリット(副作用)があります。
サノレックスに関していえば、メリットは「体重が減ること」ですが、それによって健康を害することがあっては本末転倒です
医療機関を受診したうえでサノレックスを使う決定がなされたなら、こうしたメリット・デメリットのバランスが考慮されてのことといえます。
目先の体重や体型などに心を奪われていると、こうしたバランス感覚を失いがちです。
それ故に、専門家である医療者に相談したうえで使用することが、ひときわ重要
なのです✨

当院でもサノレックス取り扱いをしております。

興味のある方は、一度医師にご相談ください

記事監修医師プロフィール

サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医

白壁 聖亜

経歴

  • 2007帝京大学医学部 卒業
  • 2010湘南鎌倉総合病院形成美容外科勤務
  • 2019シロノクリニック非常勤勤務
  • 2020サフォクリニック理事就任
  • 2022サフォクリニック副院長就任

所属学会・資格

  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本形成外科学会会員
  • 日本美容外科学会(JSAPS)会員
  • 国際美容外科学会(ISAPS)会員
  • 日本レーザー医学会会員

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当クリニックの診療は自由診療(保険適応外)となります。