今回はフェイスリフト(白壁式フェイスリフト手術、糸)について2回に分けて説明していきます。
そもそもフェイスリフトって何?
フェイスリフトは、老化と伴に重力で下垂した頬やあご、首回りなどの顔のたるみを全体的に取り除く手術です。
以前まで、「フェイスリフト」というと手術的な方法が殆どでした。
しかし、最近ではフェイスリフトは主に手術的なものと、その他糸リフトなどがあります。
糸リフトの進化は著しく、非吸収糸から吸収糸へ更にその素材も様々なものがあります。
フェイスリフト1回目は手術的なフェイスリフトについて、主に白壁式フェイスリフトを中心としていきます。
2回目は糸リフトについて説明していきます。
まず、若いときは気にならなかったフェイスラインのたるみが気になるようになる
老化による顔の筋肉筋肉、組織変化について
年齢を重ねていくと長年の重力の影響で、ゆるみに変わる部位があります。
加齢とともに皮下脂肪などの軟部組織の容量の減少する部位、
つまりこめかみ、頬部、その双方が重なり、若いときはきれいな円形もしくは、卵型を呈していた顔の輪郭にも凹凸が目立つようになります。
しかも頬部の下方に角張った部位が目立つようになり、四角っぽい輪郭の顔となり、
さらに加齢が進むといわゆるブルドックの様な顔貌となります。
このため、老化によってフェイスラインにたるみが生まれてくるのです。
💎フェイスリフトの歴史
この加齢変化、顔もたるみに対するアンチエイジング手術としてフェイスリフトが考案され実施されてきました。
フェイスリフト手術は医師や医療技術の発達により、様々な変化・進化を経ています。
全体的なフェイスリフトから、部分的なミニリフト、首まで引き上げるネックリフトなどあります。
具体的に進化した部分として、
① 皮膚切開部位の進化
② 皮下の処理方法の進化
③ さらには補足的リフトアップ材
の3つの点で発展しています。
※医師や手術方法の違いにより、これら3つと異なっている場合もあります。
また、フェイスリフト手術は広範囲の手術であるため、進化の方向はより侵襲的に進む場合と、
より低侵襲の方向に進む場合と2つの方向があるといえる。
最近ではより侵襲が少なく、効果がある方法が求められ工夫が凝らされています。
💎フェイスリフトの進化・工夫
①皮切の変化
皮切の変化は、やはり「より目立たない部位に瘢痕が落ち着く」ように進化を遂げています。
具体的には切開線の位置に工夫が凝らされています。
②皮下の処理方法
・当初はたるんだ皮膚を切り取るために耳前で皮膚切開し、皮膚を剥離して、余剰皮膚を切除して皮下縫合、
皮膚縫合で終わる手術法であった
・次に、皮下の表在性筋膜(SMAS)を引き上げたい方向に縫縮する皮下でのリフトアップ処理をした後、
余剰皮膚を切除して、より後戻りをしにくくする方法へと進化
・そして現在、そこにさらに後戻り現象を起こりにくくするため、糸を埋め込む方法も行われている
③スレッドリフト(糸リフト)
・皮下の剥離という操作をせずに縫合糸やとげ付きの糸を埋め込んで、リフトアップ効果を得ようとする手術法です。
スレッドリフト(糸リフト)に関してはフェイリフト第2回目にて詳しく記載していくため、この場では省略いたします。
💎フェイスリフトの適応について
顔のたるみが気になるようになってくる40代以上の方がこの手術の主な対象です。
最後に、
白壁式フェイスリフトSMAS三角弁法について記載していきます。
〜世界で賞賛される白壁式フェイスリフト「SMAS三角弁法」〜
SMASとは「Superficial MusculoAponeurotic System」の略で、顔の皮膚の下にある表在性筋膜のことです。
従来のフェイスリフトは顔の表面の皮膚を引っ張り上げるだけのものであったのに対し、
SMAS法は、皮膚をはがし、内部のSMAS(表在性筋膜)を吊り上げるという解剖学的研究から進化を遂げた効果の高いリフトアップ法を、
サフォクリニックが東洋人の美しさに合わせて1986年に「SMAS三角弁法」として改良した手術法です。
現在、この白壁式SMAS法の技術は、東洋人の美しさを引き出すフェイスリフトとして世界中の美容外科医に支持され、広がっています。
また、サフォクリニックのフェイスリフトは
①トータルリフト
②フェイス&ネックリフト
③フェイスリフト
④ウィークエンドリフト
⑤ヤングフェイスリフト
に分けられています。
💎フェイスリフト
もみあげ前後から耳の前面を通り耳たぶまでの切開線で行います。
耳の前の耳珠は本来風やほこりが耳の中に直接入らない様に防御の壁として耳の穴の前に立ちあがっている軟骨です。
この自然な壁を壊さない様に立体裁断の様に立ち上げて作るのがDr.白壁のこだわりです。
剥離範囲は耳前から2-3横指の範囲を耳たぶの横から下まで行います。
その下のSMAS(表在性筋膜)を頬から耳たぶの前まで10-15mm幅でS状に切り取り縫縮します。
これにより法令線や口角が持ち上げられます。
後は耳の前にかぶさった皮膚を引っ張らずに余った皮膚だけを切り取り縫い合わせます。
💎手術の流れ
腫れはほとんどありませんが剥離した部分は3-6か月知覚が鈍感になります。
翌日は殆ど腫れませんが4日目にもみあげ前に腫れが出ることがあります。抜糸の8日目には腫れは引いてます。
フェイスリフト手術は痛みや腫れ、長いダウンタイムがあるのではと敬遠されがちですが、
サフォクリニックは患者さまの悩みや負担を解消すべく、最先端の技術で新しい手術法を開発・提供してきました。
数10年前、日本のフェイスリフト手術はたるんだ皮膚を切り取るだけの簡単なものでした。
腫れも少なく比較的手軽に行なわれていましたが、日本人は皮膚が厚く重いので1ヶ月もすると元に戻ることがほとんどでした。
その後、海外の美容外科医の手術を見学する機会も増え、西洋人と日本人の形態的、骨格的違いの研究も重ね、白壁式フェイスリフトを開発しました。
アジア最高レベルとも言われたこの技術を、1986年に米国美容外科学会で
「東洋人のためのフェイス・ネックリフト手術」という
タイトルで発表し、ウォルター・スコット・ブラウン賞を受賞しました。
これは皮膚を広範囲に剥離せず、SMASという皮下組織(筋膜)を引き上げることで皮膚に負担をかけずリフトアップする「SMAS法」で、今や世界中で行われています。
その後2009年には「腫れないフェイスリフト」の開発で日本美容外科学会の最優秀賞を受賞しました。
トータルリフトや、フェイスネックリフトなど今回詳しく記載できませんでしたが、
サフォクリニックのホームページに詳しく記載されているので、興味がある方は是非見て下さい✨
フェイスリフト第1回目の記載を終了します。
かなり長文になりましたがお付き合い頂きありがとうございます。
第2回目はスレッドリフト(糸リフト)について記載していきます。
サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医
白壁 聖亜
当クリニックの診療は自由診療(保険適応外)となります。