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1979年ロスアンジェルスのホテルのコーヒーショップでDr.Owselyとの出会い

日本人は法令線線の深さを非常に気にします
皆さん年を取ると法令線が深くなると思っていませんか?

下のイラストの様に、実は頬骨の上に横に広がっていた脂肪の塊が下垂して縦長の脂肪の塊になり法令線の上に盛り上がるため法令線の山が高くなり、まるで谷が深く感じるのが本当の原因です。

黄色い脂肪の下に何本かの線があります。これが広頚筋と言う首の筋肉です
この筋肉もたるみ右のイラストの様に年をとると筋肉も脂肪も縦長になってしまいます。

すなわちこの広頚筋を引き上げないと脂肪は元の位置に戻れません


1979 LosAngelsのCentuly Plaza Hotelで米国美容外科学会が開催されました
当時米国美容外科学会の日本人会員は私の兄を含めて3人だけでした。

たまたまホテルのコーヒーショップで朝食を摂っていたとき友人のDr Owselyが私のテーブルに来て同席し「米国の美容外科医Mitz&Peyronie2人が1976年PRS誌(米国の形成外科雑誌)に出した、SMASについての解剖の文献を知っているか?」と尋ねられ、「No」と答えると。

これからのFaceLift はこのSMASが主流になるぞと朝食を食べるのも忘れて下の図の絵をナフキンに描いて熱心に教えてくれました。
彼は既にSMASを用いたフェイスリフト手術をはじめていました。

最後に私が「あなたのそのFaceliftの術式を日本で行っても良いか?」と尋ねたら彼は簡単にOKを出してくれました。
外科医は先に新しい術式を始め他先生には、その術式をコピーする場合必ずその先生の承諾を経るのが仁義です

多分今思うと、日本では当時まだフェイスリフト手術を受ける患者は少ないので簡単にOKを出してくれたのだと思います。

1976年Mitz and Peyronie のSMASの機能,形態
SMASは表在性筋膜の略語

Dr.Owsleyの有名なSMAS Platysma Face Liftは1983年にPRS(米国形成外科雑誌)71で報告されました。
ちなみにMitz and Peyronieの「The Superficial Muscle- Aponeuritic System(SMAS) in the parotid and cheek areaは1976 PRS 58 で報告されました。(参考までに)

海外の学会に出席すると言うことは学会会場で知識を得るだけではなく、「コーヒーショップでも私の人生を変える知識を得ることが出来る」ことが解りました。

しかしOwsleyの方法も西洋人向けの手術方法でしたが,このSMASを用いて皮膚と皮下組織(SMAS)を二枚おろしにして、先に重いもの(最初のイラストの首の筋肉、脂肪)を持ち上げる方法はアジア人に非常に有効でした。

しかし皮下剥離範囲は同じですので圧迫包帯は行いました。効果面では確実に良くなり ました。がまだダウンタイムは長い状態でした。

記事監修医師プロフィール

サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医

白壁 聖亜

経歴

  • 2007帝京大学医学部 卒業
  • 2010湘南鎌倉総合病院形成美容外科勤務
  • 2019シロノクリニック非常勤勤務
  • 2020サフォクリニック理事就任
  • 2022サフォクリニック副院長就任

所属学会・資格

  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本形成外科学会会員
  • 日本美容外科学会(JSAPS)会員
  • 国際美容外科学会(ISAPS)会員
  • 日本レーザー医学会会員

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